古いみち
    長田恒雄 作詞

黒ずんだふかい林の
木々のしげみをわけて
ほそぼそと こみちがつづいている
落葉や小枝が おちかさなり
黒い土がひとすじ
ふみしめられて かたくなって
このこみちは
あの人のたどった古いみち
そして あの人たちにつづいて
先達(せんたつ)たちのたどっていったひとすじ
林のつきる あたりとおく
ほのかに明かるんで
透明な空が しばられてくる

長田恒雄氏の美しい詩に,オルガニストとして
有名な伊藤完夫氏が作曲。叙情あふれる仏教
聖歌の小品として長い間,親しまれてきた。

●先達……先にその道に達して他を導く人