無漏(むろ)の燈(ともしび)
    長岡宣雄 作詞
 
たしかにも 法爾(ほうに)の雨にうたれては
身のうちにこそ ほのぼのと
みほとけの 光はかがやき
人の世の 悩みを忘れたかの如く
やがてはや 流れをよぎり
願船(がんせん)の霧のうちより あらわれて
波しずか 櫓(ろ)のおとかるく
彼の岸辺をさして進みゆく

作詞は当時龍大男声に籍をおいていた長岡宣
雄氏によるもので,昭和31年に清水脩氏によ
つて当合唱団のために作曲された。曲はホ短調
で書かれ,自からの力では救われ難き身が.
み仏の力によればすみやかに救われるさまを,
抽象的な手法で明るく歌い出したものである。

●無漏……一切の汚(けがれ)をはなれていること
●法爾……法(仏のはたらき)そのまま
●願船……迷いのものをきとりの岸に渡すか
 ら,仏の願力を船にたとえて願船という。