重誓偈(じゅうせいげ)
        佛説無量壽經より

我建超世願  がごんちょうせいがん
必至無上道  ひっしむじょうどう
斯願不満足  しがんふまんぞく
誓不成正覚  せいふじょうしょうがく

我於無量劫  がおむりょうこう
不為大施主  ふいだいせいしゅ
普済諸貧苦  ふさいしょびんぐ
誓不成正覚  せいふじょうしょうがく
我至成仏道  がしじょうぶつどう

名声超十方  みょうしょうちょうじっぽう
究竟靡所聞  くきょうみしょもん
誓不成正覚  せいふじょうしょうがく
離欲深正念  りよくじんしょうねん
浄慧修梵行  じょうえしゅぼんぎょう

志求無上道  しぐむじょうどう
為諸天人師  いしょてんにんし
神力演大光  じんりきえんだいこう
普照無際土  ふしょうむさいど
消除三垢冥  しょうじょさんくみょう

広済衆厄難  こうさいしゅやくなん
開彼智慧眼  かいひちえげん
滅此昏盲闇  めっしこんもうあん
閉塞諸悪道  へいそくしょあくどう
通達善趣門  つうだつぜんしゅもん

功祚成満足  こうそじょうまんぞく
威曜朗十方  いようろうじっぽう
日月戢重暉  にちがつしゅうじゅうき
天光隠不現  てんこうおんぷげん
為衆開法蔵  いしゅかいほうぞう

広施功徳宝  こうせくどくほう
常於大衆中  じょうおだいしゅうちゅう
説法師子吼  せっぽうししく
供養一切仏  くよういっさいぶつ
具足衆徳本  ぐそくしゅとくほん

願慧悉成満  がんねしつじょうまん
得為三界雄  とくいさんがいお
如仏無碍智  にょぶつむげち
通達靡不照  つうだつみふしょう
願我功慧力  がんがくえりき

等此最勝尊  とうしさいしょうそん
斯願若剋果  しがんにゃっこっか
大千応感動  だいせんおうかんどう
虚空諸天人  こくしょてーんにーん
当雨珍玅華  とーうちーんみょーうけー


われ世(よ)に超(こ)えし 願(がん)をたて
たぐいなき道(みち) さとらなん
このねがいもし みたらぜば
誓(ちか)いてさとり えざらまし

われはてしなき 末(すえ)かけて
大(おお)めぐみの 主(ぬし)となり
貧(まず)しき群(むれ)を 救(すく)わずば
誓(ちか)いてさとり えざらまし
われ佛(ぶつ)の道(みち) さとりえば

その名(な)は十方(よも)に きこえなん
もし至(いた)らざる くまあらば
誓(ちか)いてさとり えざらまし
けがれをのぞき 正念(しょうねん)と
知恵もてきよき 行おさめ

ほとけの道に ささげてぞ
世のもろびとの 師とならん
不思議(ふしぎ)の力(ちから) かがやきて
あまねく闇(やみ)の 世をてらす
欲(よく)と怒り(いかり)と 愚(おろか)さの

わざわい永遠(とわ)に 除かなん
知恵のまなこを ひらきては
めしいの闇(やみ)を うちやぶり
よこしまの道 たちふさぎ
よきくにの門(と)に 入(い)らしめん

いさおみちたり みほとけの
さとり開(ひら)かん そのときぞ
みいずは十方(よも)に かがやきて
月日(つきひ)もために 隠れなん
法(みのり)の蔵(くら)を ひらきては

功徳(くどく)の寶(たから) ほどこして
つねに群(む)れいる 人々(ひとびと)に
獅子(しし)吼(ほ)ゆるごと 法(のり)とかん
よろずの佛(ぶつ)を たたえつつ
すべての徳(とく)の もとそなえ

ねがいも知恵(ちえ)も 満(み)ちみちて
世にたぐいなき 雄者(おさ)たらん
師のみほとけの 無礙(むげ)の知恵(ちえ)
照(て)らさぬくまの なきがごと
わがいさおしの 力(ちかち)また

このみほとけに にかよわん
ああこの願い とぐべくば
あめつちために うちふるい
天(あま)つもろ人(びと) 虚空(みそら)より
妙(たえ)なる花を ふらさなん

(意訳)